MEIBUTSU DETAIL
#1
栃木県の名物
耳の形にした生地を汁で煮込む正月料理
耳うどん
あっさり鍋・汁物郷土料理
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耳うどんは、耳の形にした小麦粉の生地を汁で煮る、佐野市仙波町に伝わる郷土料理です。一般的な長い麺ではなく、練った小麦粉の生地を平たくのばし、耳のように折り曲げた形が、この料理の名をそのまま表しています。
汁は鶏肉や野菜を使った雑煮風で、その中の耳形の生地は、すいとんにも近いもちっとした食感です。醤油仕立ての汁で大根や人参などの具と一緒に煮ると、生地の表面にだしがしみ、噛むほど小麦の味が出ます。麺をすする料理ではなく、具を拾うように食べるうどんです。
この形には言い伝えがあります。正月に悪い神の耳を食べてしまえば、家の話を聞かれずに済む——佐野市北部の仙波地区では、そうした願いを込めた正月料理として受け継がれてきました。
長く伸ばさず、折って耳を作る手順は、家庭でも伝えやすいものです。椀の中の一つひとつを見ると、なぜこの形なのかを聞きたくなる。その問いごと食卓へ上がるところに、この郷土料理の強さがあります。
