全国名物番付
MEIBUTSU DETAIL
#1
東京都の名物

発酵液に漬けて干す魚の干物

くさや

海鮮料理しょっぱい郷土料理
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くさやは、ムロアジやトビウオを「くさや液」と呼ばれる発酵液に漬けてから干す、伊豆諸島の魚の干物です。ただ塩をして干すのではなく、独特の発酵液を通す点で、ふつうの干物とははっきり分かれます。

最大の目印は、その強い香りです。焼くと立ちのぼる匂いは遠くまで届くほどで、そのぶん身には濃いうまみが凝縮されています。塩水に漬けて干す保存食から発展した製法で、鍵となるのがくさや液。魚のうまみが溶け出した液を捨てずに継ぎ足しながら使い続けるため、家や店ごとに味の異なる液が守られてきました。

材料となる魚はムロアジやトビウオで、身をくさや液にくぐらせてから天日で干し上げます。作られてきたのは、新島、八丈島、三宅島などの伊豆諸島です。冷蔵設備のない時代に、島で獲れた魚を長く保たせるための知恵として生まれ、島しょ地域の保存食として代々受け継がれてきました。

何十年と継ぎ足されてきた一樽の液が、そのまま島の時間を映している——くさやは、そう言える一品です。