MEIBUTSU DETAIL
#1
京都府の名物
豆乳の膜をすくい取る大豆食品
京ゆば
その他あっさり郷土料理
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#1
京ゆばは、豆乳を温めたとき表面に張る薄い膜をすくい取って作る京都の大豆食品です。材料は大豆と豆乳。生ゆば、汲み上げゆば、乾燥ゆばなど形を変え、京料理や精進料理の中で使われます。
できたてのゆばは、鍋の表面に張った一枚の膜を破らないように引き上げます。厚い具材を切る料理ではなく、薄さそのものを食べる料理です。生ゆばは舌にのるとなめらかで、豆乳の甘みを淡く残します。乾燥ゆばは戻すとだしを含み、椀物や煮物の中でやわらかくほどけます。折り重なった部分には、薄いのに噛みしめる余白があります。
京都でゆばが根づいた背景には、寺院の精進料理と豆腐文化があります。大豆から豆腐を作るだけでなく、豆乳の表面に現れる膜まで食材にするところに、素材を余さず扱う感覚が見えます。肉や魚を前に出さない食事の中で、ゆばはたんぱく質を補いながら、料理に静かな華やぎを添えてきました。
刺身風にして醤油や薬味で食べると、豆の香りがそのまま伝わります。椀物に入ると、だしの中で折り重なったゆばが箸にかかり、口の中でほどけます。京ゆばは、強い味で記憶に残る名物ではありません。薄い膜をすくう手仕事と、淡い味を読み取る食べ方が合わさって、京都の料理らしい奥行きを作っています。
